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研究者のはしっこ ohtaraki2.exblog.jp

身の周りの自然を守ることに対して、研究者は何ができるか。自問自答を繰り返す毎日。


by 草原好きオバちゃん

Aconitum

草原のふもとの集落で、Aconitumをみせていただきました。
このあたりでは通称「トリカブト」で通っています。

昨年、Aconitum属の分類を専門にされている先生がこられて
同定され、そのうち正式に名前が発表されると思います。
Aconitum_e0295994_11234126.jpg

  県内の他の生息地では、調査の際の写真をアップしただけで
  次の日には株が抜き去られていたという話。
  ネットでの情報の広がりや、山野草愛好家のネットワークは
  そら恐ろしいものがありますね。



偶然、草原内で草刈りしている農家さんにお会いして
「あんた久しぶりじゃのう。うちにトリカブトが咲いたんじゃが
見に来るかね。」と、軽トラに乗せてもらい、お家の裏庭にまで
見に行ったら、こんなきれいな花が咲いていました。

管理にも気を使っておられるようで、ほんとに頭が下がります。

  でもね、この農家さん(ご主人)はともかく、
  奥様の方は、秋吉台の花関係では今最も有名なNさんの訪問を
  待っている様子。
  おせっかいかなとは思いましたが、Nさんに電話してみたら
  「明日行こうと思っていたので、ちゃんとごあいさつしてきます。」
  とのこと。よかった!!

  そして、Nさんは「あそこの株は家の裏だし、盗掘は無理。
  管理もしっかりしておられるので、キレイに咲かせていただいた
  お礼を言ってこようと思って。」と。

これはまさに、草原を刈ってお花畑を作ってくれた農家さんに
私がいつもお礼を言っているのと同じ!

分野は違えど、やはり「よそ者」の役割、「専門家」の役割は
一緒なんですね。そして、それくらいしかできないということも。

さすがNさん、よくわかっていらっしゃる。
地元の人とそういう関係を築き、継続していくのは結構たいへんな
ことが多いこともよくわかります。それを10年以上続けてこられた
ことに、またまた頭が下がるのでした。

私も草原に関わり始めてから7年。まだまだ若輩者で、
波もありますが、細く長くやっていけるようにしようと
あらためて思ったのでした。
by ohtaraki2 | 2013-10-05 11:34 | ひとりごと | Comments(0)