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研究者のはしっこ ohtaraki2.exblog.jp

身の周りの自然を守ることに対して、研究者は何ができるか。自問自答を繰り返す毎日。


by 草原好きオバちゃん

認定の弊害?

秋吉台は、南北に流れる厚東川をはさんで、
特別天然記念物やら国定公園やらで
人の関わりが規制されている東台と、
石灰石鉱業がさかんで、複数の企業が
採掘をしている西台に分かれる。

その西台エリアにある小学校や中学校のお話。

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彼らは西台エリアに住んでいながら、
学習発表の内容は秋芳洞・秋吉台のある
東台エリアの話がかなり出てくる。

知名度のある湧水にしても、
かなりの労力を割いて紹介してくれるのは
彼らの住むところとは集水域が違い、
昔からの生活に絡んでるとは思えない水のこと。

この「秋吉台志向」、困ったもんだと思う。
東台に目を向けすぎることで
学校のふるさとに関する学習での
自分たちの地域の学習が不十分にならないか。
また、公の場で発表するときに、よその地域の
ことばかりが多くなって、
自分たちの住む地域のことをあまり話せないのは
悲しくはないか。

そして、この秋吉台志向が、ジオパークに
認定されたためだったとしたら
余計におかしいと思う。

今の美祢市のジオパークは、
地質資源の保護に関しては堂々と語れるけど、
資源の利活用の面では石灰石鉱業や販売、
観光業とは折り合いがつかず、
その側面を排除する形で認定を受けた。

だから、ふるさとの学習をジオパークとからめて行う学校は、
排除された部分を大きく取り上げることができない。
たとえそれが自分たちの住む地域を
特徴づける産業であったとしても。

利活用の部分をストーリーにどれくらい盛り込めるかは
ストーリーを構築した、行政や推進協議会の
力量によるんだけれども、
果たして今後、そこをうまく取り込んで、
子供たちが自分の住む地域のことを堂々と
発表できるようになるのか。

このままでは、本末転倒。
認定を受けたがために子供たちが地域に
誇りをもてなくなることが心配。

頼みますよ、ジオパークを推進する方々。






by ohtaraki2 | 2015-12-19 00:42 | ひとりごと | Comments(0)