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研究者のはしっこ ohtaraki2.exblog.jp

身の周りの自然を守ることに対して、研究者は何ができるか。自問自答を繰り返す毎日。


by 草原好きオバちゃん

茅の利用に関するメモ

そのうちやってきそうなことへの心構えのために。

<背景>

・震災による東北の産地のダメージと、昨年の豪雪で
 富士山麓や阿蘇などの茅が使えなくなったのとを
 合わせて、今は全国的に茅不足。
・県内の茅葺き職人さんは主に阿蘇などから茅を購入
 している。

<今の状況>

・使う場所に近いところで茅を手に入れられると、
 コストの面でもメリットが大きく、リスク分散にもなる。
・いま現在、秋吉台上ではススキを茅葺きに利用する人はいない。

<秋吉台のススキを利用する上での問題点>

草原そのものの状態
・もともとネザサ主体の草原なので、ススキが多い場所は限られる。
・車が入れる道が少ないので収集・運搬が困難。

人に関すること
・ススキが多い場所、車が近くまで入れる場所はすでに農家が
 草を利用しているため、競合しない場所を探す必要がある。
・草原から受けるメリットへの対価を、草原を守る労力を
 提供している主体に還元することが必要。
 (たとえば、集落へ対価を支払う、労力提供する、など)
・公的な管理機関への届け出と調整が必要。(市役所や県など)
・1つの集落だけの話にとどまらず、全体に波紋をおこすことを想定。
・環境への配慮が必要。
 (草原内道路を車が通行することによるダメージ、過剰利用の抑制など)


<注意事項>
・とにかく、いきなり始めるのではなく、まずは地元と良好な関係を築き、
 理解を得てから始めることが肝心。地元の作業への参加は有効な方法。
・他所の事例から、およそ3年くらいの下準備が必要。
・場所の選定は慎重に。

・いまの市や、市に近い人たちの得意なトップダウン方式は
 失敗する可能性が大。
・草が経済的価値を持つことがわかると、利益を目指す勢力が
 くっついてきて、積み上げた信頼やルールがくずれてしまう
 可能性が大。



by ohtaraki2 | 2014-05-04 08:24 | 頼まれごと | Comments(0)