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研究者のはしっこ ohtaraki2.exblog.jp

身の周りの自然を守ることに対して、研究者は何ができるか。自問自答を繰り返す毎日。


by 草原好きオバちゃん

歩道沿いの草刈り

結構ホットな話題。
歩道沿いで草刈りをしている人がいるが
それはいいのか悪いのかという問い合わせが。

答えは、時と場合による、となります。

たとえば、草刈りが植物の採取目的であれば規制がかかり、
自然公園法(国定公園)や、市の管理条例に基づいた
採取許可申請が要ります。

単に刈り倒すだけの行為なら、
作業を委託された業者以外は
市の管理条例により、場所や方法、実施期間を明記した
利用許可申請が必要です。

この例外が地元の農家さん。
畑のマルチにしたり、牛のエサにしたりするので
草原の草を刈り取って持って帰りますが、
これは慣例として認められています。

農家さんの草刈りは、だいたい
刈る場所や時期が決まっていること、
草花に詳しい人は、大事だと思う花を刈り残して
くれたりもするので
そういう点でも問題は起きにくいです。

今、警戒されているのは、
美祢市が打ち出す「使える秋吉台」のコンセプトで
開催されるトレイルランニングでの整備。

大きな歩道ではなく、人が一人通れるくらいの
幅の歩道がたくさんありますが、
そこを草刈りして拡げられたりしないかと
警戒感がひろがっています。

小さな歩道は、たいてい傾斜のきつい斜面にあり、
希少な植物が歩道沿いにあったりするので、
草刈り作業そのものの影響に加え、
人がたくさん通るようになると
土壌侵食や植物体の損傷、盗掘の危険性が増すからです。

今年はトレイルランニングの大会も企画されて
いますから、大会の前後で監視を強化するよう
お達しが出ています。

大会のコースを観察するのはもちろん、
草刈り行為も監視の対象でしょうね。

新しい使い方によるトラブルで、古くから行われてきた
草原のリクツにのっとった使い方まで
非難を受けることがないように願います。
Commented by ohtaraki2 at 2019-07-13 00:36
あれから3年経って、トレイルランニングをはじめとするアクティビティは、激しい踏圧やぬかるんだ道の通行による歩道の損傷が問題になってきました。

この損傷は、道そのものの傷みとそれによる土壌侵食の懸念、それから、歩道沿いの植生の損傷の2つがあります。

昨年はじめて集められた参加費上乗せの募金は、山焼き対策協議会に寄付され、実際に使った歩道の損傷を修復することには使われませんでした。

たしかに山焼きは大事ですが、せっかく集めた募金はピンポイントに、その行為による影響を軽減することに使ってほしいものです。それが受益者負担というものではないでしょうか。
by ohtaraki2 | 2015-07-02 10:22 | ひとりごと | Comments(1)